「任意整理」に関するQ&A
任意整理をしても事故情報が登録されないことはありますか?
1 任意整理による信用情報への影響について
任意整理をすると、原則として信用情報機関が管理している信用情報に、事故情報が登録されると考えられます(信用情報への事故情報の登録は、貸金業者等が行います)。
信用情報機関にはCIC、JICC、KSCの3つがあります。
それぞれの機関に、貸金業者やクレジットカード会社、銀行等が加盟しています。
加盟している貸金業者等は、貸付けの申込み等があった時には、審査をするために信用情報を参照することができます。
一般的に、弁護士に任意整理を依頼した場合、貸金業者等に対して受任通知が送付されると、信用情報に事故情報が登録されます(受任通知送付後、一定期間が経過してから事故情報が登録されることもあります)。
事故情報は、任意整理後に完済してから、5年間程度が経過しないと抹消されないといわれています。
事故情報が存在している状態では、新たな借入れやクレジットカードの作成の申込みをしても、審査が通る可能性が下がります。
もっとも、例外として任意整理をしても事故情報が登録されないというケースが2つありますので、以下、具体的に説明します。
2 過払いになっていたケース
形式的には残債務が存在していても、実際には利息を払い過ぎていて、すでに完済している状態であったというケースがあります(いわゆる、過払い金が発生している状態)。
弁護士が貸金業者等に対して受任通知を送付すると、多くの場合、貸金業者等から取引履歴が提供されます。
取引履歴の中に、利息制限法の上限を超える利率での借入れと返済が確認された場合には、引き直し計算を行います。
払い過ぎた利息が元金に充当され続けた結果、実際にはすでに完済されていて、過払い金の返還が受けられるという場合、事故情報は登録されません。
正確には、受任通知を送付したタイミング等において、一旦事故情報が登録されますが、過払い金が発生していたことが判明した場合、事故情報が抹消されるとされています。
3 信用情報機関に加盟していない債権者が対象である場合
信用情報に事故情報が登録されるのは、信用情報機関に加盟している貸金業者等を相手に任意整理をした場合です。
逆に言えば、そうでない債権者を対象として任意整理をした場合、事故情報は登録されません。
任意整理で和解できなかった場合、どのような対応ができますか? 時効の完成猶予とはなんですか?