債務整理をすることで失うものはありますか？

一般論として、債務整理をすると、保有している財産を失うことや、経済的信用が悪化する、一時的に就ける職業が制限されるということがあります。

債務整理の種類によって、債務者の方に生じる影響は異なります。

例えば、どの債務整理の方法であっても信用情報に事故情報が登録される可能性があります。

自己破産をした場合には、保有財産を処分することになります。

逆に、任意整理の場合ではほとんどの財産を残せることが多いです。

以下、各債務整理の方法における影響について、説明します。

任意整理は、裁判所を通さずに貸金業者等と直接交渉して返済条件の変更を目指す手法です。

債務者の方に生じる影響は、比較的小さいと考えられます。

生じ得る主な影響としては、次のものが挙げられます。

任意整理に限りませんが、信用情報に事故情報が登録される可能性があります。

任意整理を行った場合、新たな返済条件のもとで完済をしてから最長５年間は事故情報が登録され、その間は新たな借入れやクレジットカードの作成が難しくなるといわれています。

個人再生は裁判所を介した債務整理の方法であり、債務総額を大幅に減額できる可能性があり（一部減額できない債務もあります）、減額後の債務を原則３年間で分割返済していく手続きです。

債務総額を大きく減らせる可能性がありますが、次のような制限や影響があります。

まず、他の債務整理同様に、信用情報に事故情報が登録されることがあります。

再生計画に従って完済した後、５年間程度は新たなローンやクレジットカードの申込みの際、審査に通らなくなる可能性があります。

個人再生はすべての債権者を対象としますので、担保権が設定されている債務がある場合、担保とされている財産を失う可能性があります。

ただし、一定の条件を満たすことで、例えば住宅ローンの抵当権が設定された自宅や、自動車ローンの担保となっている自動車を残せる可能性があります。

自己破産も裁判所を通じた債務整理の方法であり、一部の例外を除く債務の返済責任を免除してもらえる手続きですが、その分、制約も多くなります。

まず、信用情報に事故情報が登録され、破産後７年間程度は新たなローンやクレジットカードの申込の際、審査に通らなくなる可能性があります。

次に、一定の評価額を超える財産は、原則として破産管財人によって換価され、その売却金等は債権者への配当等に充てられます。

また、破産手続中は、警備員・保険外交員・宅建士などの職業に就くことが一時的に制限されます。

ただし、復権（一般的には免責許可決定の確定）により、このような制限は解消されます。